司馬遼太郎の短編集。
その中の「覚兵衛物語」が特に面白かったので以下感想。
加藤清正の家老の飯田覚兵衛の話。
清正とは幼馴染で、本当は僧になりたかったのに清正に頼まれて仕えて続けた。
「武士は嫌だ」「いつかはやめてやる」と愚痴りながらも、清正との義理のために律儀に武士を続ける。
1611年に清正が死にようやく清正との義理から解放されると思いきや「息子を頼む」と遺言されて結局は加藤家に仕えることとなる。しかし跡を継いだ加藤忠広とは折り合いが悪く、加藤家を出る。やがて加藤家は改易となる。
覚兵衛は何だかんだ言って清正と共にあって幸せだったと思う。人は縁によって幸せにも不幸にもなると思えた。