逆転裁判×昼ドラ=「事件」

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以前から何となく興味があったけど何となく手が出せなかった監督・野村芳太郎の「事件」を先日借りて見ました。
見た感想としては、精神的ダメージは大きかったが「すごく面白かった!」です。
以下映画について思った事を書いていきたいと思います。

 

○あらすじ
神奈川県厚木付近において女性の殺人死体が見つかる。
数日後、女性の妹の恋人が容疑者として逮捕される。
容疑者の名前は上田宏
上田は殺意があった事は否定するが、自分が刺しかつ遺体を遺棄した事実は認める。
検察は上田に明確な殺意があったと主張し、弁護士は上田には殺意が無かったと主張する。
上田の裁判を通じて様々な男女の関係が明かされていく。

 

○解説
この映画はサスペンスであるが、殺人の犯人を捜し当てるストーリーではない。
そもそも映画開始した時点で、被害者を刺した上田は逮捕されており、他に真犯人がいるわけではない。
この映画は殺人の犯人よりも、その周囲の人間に焦点を当てた作品と言っていい。
映画の一番の舞台は裁判所である。
裁判所に証人達が登場し、証人達から様々な事実が提示される。
映画の六割以上は、裁判所の証人達のシーンと証人の回想シーンである。
その証人に向かって弁護士と検事が
『異議有り』『証人の言葉は以前の証言と食い違ってます』『どちらが本当なんですか』等と、
ゲーム・逆転裁判のような応酬を繰り広げる。
また、人間関係がやたらとドロドロしているのもこの作品の特徴である。
何というか、見ていてとても疲れてしまった。
「もうどうしようも無ぇなあ」としか言いようがなかった。

 

○素晴らしき俳優陣
とにかく出演している俳優が素晴らしい。一つ一つの場面で圧倒されてしまった。
弁護士の丹波哲郎と検事の芦田伸介
非の打ち所の無いチンピラを演じる渡瀬恒彦。
妖しい色香を漂わす大竹しのぶ
妹の男を寝取ったり、渡瀬の女とキャットファイトを演じる松坂慶子
雑貨屋の主で無駄にナイフについて語りたがる森繁久彌

 

○極めて個人的な事であるが
私は神奈川県出身であり、この映画では知っている地名がたくさん出てきたのですが、知っているものが出てくるたびに妙に動揺してしまった。
殺された女性が勤めていたのが新宿だとか、女性が本厚木でスナックを開いたとか、妹の駆け落ち先が横浜で、何度も映し出される相模川
白と青の小田急電車、黄色い神奈中バス


何にしても忘れられない映画だった。

最近風邪引いた

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最近、風邪を引いてしまいました。

咳と鼻水が続いています。

そんな私のマイブームはオリジン弁当の鴨のスモークとトマトとブロッコリーが入ったサラダです。

仕事帰りに寄って買って食べています。

 

映画・怪獣大戦争

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先日、ふと特撮モノを見たいと思い、ではどうするかと考えた結果、まだ見たことが無い「怪獣大戦争」に手を出してみました。

「怪獣大戦争」と言えば、何と言っても「シェー」をするゴジラが有名です。

私も、いくらなんでも「シェー」は無いだろうと思って今まで見てこなかったのですが、ネットの評判を見てみるとなかなか良かったので手を出してみました。

 

○あらすじ

木星の調査に向かった宇宙船・P-1号(富士とグレンが乗船)は、X星人と接触。X星人はキングギドラの襲撃に悩まされており、キングギドラを撃退するために地球にいるゴジララドンを連れてきたいと言い、そのために地球人に協力をして欲しいと言ってくる。

X星人の友好的な態度に、地球側も危険は無いと判断しX星人の申し出を受け入れる。

そして、ゴジララドンはX星に連れていかれ、キングギドラを撃退する。

これで一件落着かと思いきや、徐々にX星人の地球侵略の野心があらわになってくる。

 

○良かった点

・特撮技術が素晴らしい。

・音楽が素晴らしい。有名な伊福部昭の「怪獣大戦争のマーチ」が、映画開始早々流れ否が応でもテンションが上がる。

・役者が素晴らしい。宝田明水野久美、土屋嘉男など皆良い演技だった。

キングギドラが素晴らしい。大怪獣らしく圧倒的な存在感を発揮してくれた。

・大風呂敷が良い。地球連合宇宙局というのが主人公達の所属している機関であるが、無駄に日本人がイニシアチブを握っている組織だったりする。現実のアメリカ・ソ連をすっとばして、和服着た女性が女性代表になったりして、世界平和を主張したりしている。なかなか壮大な設定だった。

○悪かった点

・やはり「シェー」は駄目だろ。怪獣王であるゴジラのこういう姿は見たくなかった。

・タイトルは「怪獣大戦争」になっているが、内容はX星人と地球人との駆け引きがメインになっている。

ゴジラシリーズの作品ではあるが、ゴジラキングギドラより存在感が無い。

○総論

ゴジラ作品としては辛い点をつけざるを得ないと思いました。

特に「怪獣大戦争」と銘打っておきながら、ゴジララドンの扱いが軽く、とても大戦争と呼べないものになってしまいました。

特にそれまで圧倒的存在感があったゴジラが、UFOの力であっという間に無力化されてしまったことは、自分にとってキツイものがありました。

やはりゴジラ映画は、コミカルよりも迫力のある怪獣物を期待してしまいます。